個展「記憶の行方」開催します!

ちょっと今年は大きく自分の環境が変わったこともあり、いろいろな事をこなしているとあっというまに時間が過ぎてblogの更新も三か月近く時間が空いてしまいました。
映像制作者としての顔も作ろうと、いろいろと頂けるお仕事をこなしたり自分から働きかけていったり、新しいことを学んだり・・という毎日ですが、もちろん写真作家としての顔も忘れてしまったわけではありません。

今年も、作家契約をして頂いているアートディーラー、Interart7(インターアート7)で展示をさせていただくことが決まりました。
Interart7のギャラリー、日本橋小舟町の「TK Gallery」にて12/10 – 12/22の予定となっています。

今回の展示のタイトルは”記憶の行方”としました。
写真のテーマとしてもよく扱われ、そもそも写真の側面、目的の一つでもある記憶をテーマとして扱い、人の記憶がいかにあやふやなものなのかを写真プリントで表現しようとしています。展示はすべて和紙を支持体とするプラチナ・パラジウムプリントの予定です。
以下に展示のステートメントを掲載させて頂きます。

記憶とは実に曖昧なもので、五感のいずれかから脳内に取り込まれたその瞬間から脚色或いは劣化が始まり、自身にとって都合の良いイメージとして定着していく。そして、そのイメージも時間の経過によって眞砂が風に散らされるかのように瓦解していき、最後にはほんの僅かな形象のみが残される。

人は自身の記憶をある時は知識として振りかざし、ある時は思い出としてそれに縋る。が、かように記憶とは曖昧で実体が薄く、人生の途上と共に形を変えていくものであって、記憶の行方はそれを持つ本人でさえ杳として知れない。

そしてその行方によっては、自分自身が何者なのかという根本の記憶すら喪い、何者でもなくなるかもしれない未来に人々は怯えているのだ。

保存状態によっては数百年間、自分の寿命より長くその姿を変えないと言われる和紙、そしてプラチナ、パラジウムの粒子という形に記憶を変換して定着させるという行為は、ごく身近な物事の記憶の行方すら不確かで、やがて喪うかもしれない、という恐怖からから逃れようとする行為なのかもしれない。

今回の展示の発想は、もともとカメラの設定誤りで撮影した一枚からになります。
動画撮影用のカメラの高感度テストをしていたのですが、その設定そのままに静止画を撮影しISO感度102400というとんでもない高感度で一枚撮ってしまったのです。
通常の光の中でそのような高感度による撮影は、静止画の撮影としては明らかな失敗になりますが、その失敗データがちょっと面白い雰囲気で撮れていて改めて見つめなおして見ました。

被写体の全体的なフォルムは大まかに正しいのですが、細部のディティールがそこかしこで失われて、かつ極めてノイジーな形で残っています。ちょっと踏み込んで撮影をされている方ならご存じかと思いますが、高感度撮影の場合、わずかな光でデータを残すことを優先するためにセンサーが感度を増感することで発生する物理的な現象による結果ですが、カメラですら条件によっては目の前、いまその瞬間の映像を正しく記憶できないのです。そしてその現象が、ステートメントに記したような人間のあやふやな記憶につながったように感じました。そしてそれを平滑性の高い専用のペーパーにインクジェットプリンタで印画するほどには再現性が高くはないアナログのプリント手法で現すことで、更なる記憶の不確かさのようなものが表現できないか、という試みをしています。

・・・っと面倒くさいコンセプトは毎度のことながらごちゃごちゃとついておりますが(笑)、単純にプラチナ・パラジウムプリントってどんなプリントなのか、とか、制作物を見て頂けるだけでもありがたいことですし、”なんとなくモノとしてきれいだな”と感じて頂けるようなプリントを制作しておりますので、それだけでも伝わると嬉しいです。
数人お越しいただくともう一杯になってしまうような小さなスペースですが、ぜひお気軽にお越しいただければと思います!

皆様のご来場をお待ちしております。

インターアート7セレクション 町田 良太 作品展「記憶の行方」
12月10日(火)~12月22日(日) 月曜休廊
火~金 12:00‐19:30 土日祝 12:00-18:00 最終日17時まで
会場: TK GALLERY
東京都中央区日本橋本町1-7-9  2階

東京メトロ半蔵門線、銀座線の三越前駅の、銀座線三越方面改札口からのアクセスが比較的便利です。

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