飛ばすまでが8割

DJI Phantom4 PRO

私は、近年自分の作品・・・スチルも動画もともに、ですが、ドローンを用いた撮影を行うようになりました。ドローンを飛ばしたい、のではなく、純粋に撮影の一手段として用いています。

ところで、ドローンを飛ばす上では様々な法律を遵守する必要があります。
私は専門家ではないので、詳細な解説をすることはできませんが、航空法と民法について簡単にお話してみたいと思います。

航空法

今現在、ドローン、規制・・などと検索して引っかかって来るほとんどは、航空法です。
まず航空法132条1項にて、飛行禁止空域が定められています。1.高度150m以上、2.空港やヘリポート周辺、3.人口密集区域(DID)がそれにあたります。
また、飛行の方法についても、1.夜間飛行、2.目視外飛行、3.人・物件から30m以内に近づいて飛行、4.イベント上空での飛行、5.危険物の輸送、6.物件の投下のいずれかを行う場合は、国土交通省東京航空局、もしくは大阪航空局への事前申請が必要になります。飛行禁止区域1〜3の飛行も、必要な措置を講じた上で同様に申請すれば許可が下りる場合もあります。

これらの申請を行う場合、飛行マニュアルを添付する必要がありますが、現時点で”航空局標準マニュアル”が準備されており、これに準じて飛行する場合は、飛行の方法1〜6については比較的申請が楽に準備でき、審査にかかるまでの時間も短めになっている方向にあります。

しかしながら、航空局標準マニュアルによればDID地区内で飛行させる場合は人が下にいないことを確認してから・・・などとサラッと書いてあるのですが、例えば東京の都心付近なんかでドローンの飛行範囲内に人がいない、なんてことを確認しながら飛ばすことは実質不可能ですし、民家が密集する地域では後述の民法の方に触れますので、許可が通ったからと行ってホイホイとDID地区内飛行や目視外飛行を行えるのか、と言うとそうではありません。

どうしてもこういう場所で飛ばす必要がある場合は、航空局と何度も書類を往来させて様々な措置について検討した独自の飛行マニュアルを作り、その上で申請を通す必要があります。

一番大変なのは航空法にあらず

それでも、航空法に関しては比較的ルールがきちんと整備されてきて、ある意味機械的に対応することができるようになっています。
一番面倒なのは、実は航空法への対応ではありません。
民法なのです。

先ほど、文中にも少し出てきましたが、例えば人の家の上空を飛ばすような場合、民法の解釈ではその土地の所有権は上空に対しても及ぶため、他人の所有の土地の上空を飛ばすことは、不法侵入として捉えられるケースがあります。また、他人の住居を上空から見下ろす→プライバシーの侵害に当たる、と思われて通報されてしまったり、様々なリスクが考えられます。

じゃあ、DID地区内でもない、山の中とか行って飛ばせばいいじゃん・・という話になるのですが、日本国内で誰かの土地になっていない山林はほぼない、と考えた方が良いと思います。田んぼや畑ももちろん誰かの所有物ですし、山林の場合は個人の所有ではなくても国有林や県有林になっていたり、国立公園(国管理)や国定公園(自治体管理)になっていたり様々です。

そして、一番厄介なのは管理者・所有者ごとに手続きが全く統一されていない、ということです。航空法は東京航空局に書類を出す、というルールに添えばよいのですが、民法上の手続きはこうはいきません。
個人所有の土地はもちろんその所有者一軒一軒にお伺いして許可をいただく必要があります。
そのほか、私が今まで経験した範囲でお話しすると、国有林上に関しては林野庁の各地方森林管理局に”無人航空機の飛行を伴う入山届”を出す必要があります。(これはフォーマットがあります)
一方、関東のある県の県有林に関しては、県庁の県有林課に問い合わせたところ、現時点では飛行を規制する条例、法は定めていないので、特に申請等は必要はない、ただし、登山者が多くいるメジャーな山岳の頂上付近を飛行させたり、万一落下させたりした時に回収不能なゴミになるような場合での飛行は自粛してほしいと言われました。また、業務・・例えば何かのプロモーションであるとか、撮影した映像が商用として扱われる場合は県に相談して入山届が必要、とも言われています。
中部地方のある町の町有地となっている湿原では、町の観光課に一報入れただけで飛ばすことができました。
しかしながら、更に別の県の海岸では、”砂浜での飛行は海岸法上問題があるので、報道や気象調査などの特殊な目的以外は全て禁止”という見解が出ているところもあります。(ただし、海上は海岸法の適法範囲外だからどうぞご自由に・・という感じでした)

結論として

なので、ドローンを飛ばす上ではまず航空法上の範囲に入っているか、そうでない場合は申請が必要、というのが一点。
それ以上に大変なのは民法上の問題で、飛行予定の場所によって都度確認する相手も、手続きも、手続きの煩雑度も違う(電話一本で済むこともあるし、何日も前に書類を出さないといけない場合もある)ので、”飛ばす場所、その時の都度、その土地の管理者、所有者に確認する必要がある”ということです。

そのほか、道路が近ければ道路法が絡んで警察に連絡が必要になったり、自治体ごとの条例であったり、河川法であったり海岸法であったり、電波法なんかも絡んできてしまいます。
現時点では、航空法以外の申請に関しては統一されたルールがないので、”航空法以外が大変”というのが結論になってしまいます。ドローンでの空撮は、”飛ばすまでが8割”、なのです。

少なくとも、いきなりどこかで飛ばしてしまうのではなく、その土地の管理者をまず調べて一報する、というのは最低限のマナーかな、と思っています。

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