価値を失わないカメラ:Hasselblad 500C/M

アイキャッチ画像撮影:Haaselblad 500C/M , CarZeiss T* Planar 80mm/F2.8

先日、こちらの記事でHasselblad 500C/Mをお借りして撮影していることを書きました。
その写真展に出すものはすでに撮影、プリントを終えているのですが、せっかくなのでもう少し・・と、図々しくお借りしたままその後も何本か撮っています。

不便さと美しさと

じつは、この持ち主の方からこのHasselさんをお借りするのは2度目です。
1度目は、自分が昨年映像の学校に通っていたときの実習制作で撮影していたショートムービーのなかで使う、重要な小道具としてお借りしたのです(笑)
その時は私が使ったのではなく、俳優さんに使って頂いたのでフィルムは入れずに何度かシャッター空うちしたぐらいだったので、本当にHasselで撮影したのは今回が初めてです。

Hasselblad 500C/M , Planar T* 80mm/F2.8

Hasselbladといえば、ウエストレベルに構えて上からのぞき込んで撮影するスタイルがあまりに有名ですよね。Hasselbladもいろいろなカメラを作っていますが、500C/Mを上からのぞき込んで撮っている、のが代表的なイメージだ、と思います。

プリズムが入っていないので、アイレベルファインダーを後付けで取り付けせずに上から覗いて撮影するスタイルの場合、スクリーンに浮かんでいる映像は左右が反転しています。フレーミングは自分の感覚と逆に動かさなければならないので、慣れるまではなかなか思ったとおりの視座を構成できません。

原理や機構を知らず、スマフォやデジタルカメラしか扱ったことがない方がいきなりつかったら、大分頭の上に?マークが乗ると思います。古いカメラではありますが、いまでも愛好家が多くカメラとしての価値を維持しておりお値段もなかなかな額しますので、小さいボディに様々な機能を詰め込んだ、スマフォ含む現代のカメラと比較するとなんともコストパフォーマンスの悪い話に感じてしまうかもしれません。

上から覗く、という構造上、たとえばカメラを真下にむけて自分の足下を撮ろう、なんていう場合は若干の工夫も必要です(笑)

Hasselblad 500C/M , Planar T* 80mm/F2.8

一方で、その不便なウエストレベルのスクリーン。それこそがHaselbladの大きな魅力の一つでもあります。実際にPlanar 80mmとかつけて覗いたことがある方はおわかりだと思いますが、なんとも言えない立体感にあふれた像が投影されます。
また、500C/Mは電気的な機構は一切なく、すべて機械式で動作します。電池等を使わず、すべての機構がバネとスプリング、歯車の動力伝達だけで動いていくのは、機能美、という言葉はこういう製品のことを指すのかな?と感じさせます。

私自身は、カメラにその手のノスタルジーやロマンは求めない人間で、今回Hasselを撮影のためにお借りしたのは作品の制作意図上、正方のフォーマットで撮れるフィルムカメラが必要だったからです。が、そんな私でもこのスクリーン像や、考え抜かれた機能美には結構心を動かされて、ちょっとまずいな、と思いますから(笑)

普遍的な価値を失わないカメラ

今後、このような仕組みを持つカメラはおそらく登場してこないであろうし、500C/Mのようなカメラの価値は、デジタル・アナログの差異無く、写真を撮るという行為に対して普遍的なものとして今後も保たれていくのだと思います。カメラは保たれるとは思いますが、フィルムや印画紙、薬品のほうがピンチではありますが・・

もちろん、このカメラを使った”だけ”で良い写真が撮れる・・とかはないですが、風景を自分の手元に切り取って持って来て、見た目の光景”以上”の何かを感じさせる感覚がある500C/M。その機械的な構造や物理的な性能とともに、撮影者が被写体との間に築く”感情”を持ち上げるような官能性能を有するカメラなのかもしれず、それこそが現代のデジタルカメラに欠けている”何か”なのかもしれませんね。

私も早く所有者様にお返ししなければ・・^^;

ちなみに足下を撮るのは工夫が必要ですが、ウエストレベルファインダーのカメラは真上を撮影するのは楽です(笑)

Hasselblad 500C/M , Planar T* 80mm/F2.8

Hasselblad、というキーワードだけでしか関連していませんが、以前kalipeの企画で500C/Mを駆るカメラ女子の動画を撮らせて頂いたことがありますので、ご覧頂けますと幸いです。


動画の一番末尾で、不思議な行動を彼女がとります。実はこれ、500C/Mの撮影術の一つで、どうしても撮影位置が低くなりがちなウエストレベルファインダーのカメラで、高いアングルから撮影するための技。オマケ映像のように編集されておりますが(笑)手足のように使っている感じが感じ取れ、とても好きなシーンです。

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