NVMe SSDとAHCI SSD  

写真とストレージ

本日のアイキャッチ画像はWestern Digital Corporationのフラッシュメモリーブランド、SanDiskのweb( https://www.sandisk.co.jp/home/ssd/extreme-pro-m2-nvme-3d-ssd )より引用させて頂きました。

デジタル写真、および映像を扱うためには、どうしてもPCが必要になります。
昨今、静止画もRAWデータともなれば1枚で数10MB,動画に至っては4K30p、100Mbpsで収録すれば、30秒のクリップでも400MB前後となりますので、PC本体に加えて大容量の外付けストレージも必須となっています。
静止画もRAWから現像してTIFF化し、Photoshopなどでレイヤーを駆使した複雑のポストプロダクションを施せば、1枚あたり数100MB程度にはなります。
私自身は枚数はそんなに撮影しないほうなのではありますが、昨年あたりの撮影、撮影後の現像データもふくめて450GB前後でした。(ただし、動画クリップは除きます)
たくさん撮影される方は1年で2TB、3TBのHDDがあっという間に埋まってしまう、あるいはもっと・・という方もいらっしゃると思います。

そして沢山撮り貯められた過去のデータを見返そう、という時、圧縮されてサイズの小さいJPEGデータであればあっという間にサムネイル画像等も表示されるので、”ああこういう写真か”と認識することもできますが、それこそバリバリポストプロダクションされているような1枚数100MBあるようなTIFFがフォルダに集中して置いてあるような場合、サムネイルですらなかなか出てなくてイライラ・・とされた経験がおありの方もいらっしゃると思います。
LightRoomのようなソフトウェアをうまく利用すると、カタログと呼ばれるソフトウェア的な管理技術によって高速にブラウズすることもできますが、全員が全員そういう環境にあるとは限りません。
ちなみに、私自身は写真の整理・・としてはLightRoom等のソフトはあえて使わず、撮影年ごとにフォルダを作って、その中に日付_撮影地_2~3言のメモ、のようなサブフォルダを作るようなシンプルな管理にしています。また、RAW画像に加えて一番低画質でサイズの小さいJPEGも同時記録して、この画像を見出し代わりに使っています。
ちょっとだらだらと書きましたが、写真を効率的に管理するには、大容量だけど速度が速いストレージのウエイトが大きくなっている、と言え、HDDではなかなか追いつかなくなりつつあるのが現状ではないでしょうか。

SSD:AHCIとNVMe

HDDはコストパフォーマンスが上昇して、2TB、3TBのディスクでも安価に入手できる時代となりました。速度の面では先に述べたとおり苦しくなることも多いですが、容量とコストの面から見ればまだまだストレージの主役のポジションにあります。


小話ですが、私はいまから28年前の1991年に企業の訓練生となり、1992年から社会人として本格的に仕事を始めたのですが、その時会社から初めて貸与してもらったPCに搭載されていたHDDは”20MB“だったと記憶しています(笑)

一方で小容量だけどHDDの何倍も高速なSSDも登場当初からくらべるとそれこそ夢のように価格が低下して、もはやコンシューマ向けの安価なPCでさえシステムディスクがHDDからSSDに置き換わっているような状態になっています。
PCに実装するタイプのものとしてはSATAに実装するタイプのものとして


のような感じのものが主流です。

そしてそのSSDも更に一段進歩する状況にあります。ここでようやく今日の記事のタイトルに行き着くのですが、今現在、ざっくりSSDの種別で分類するとNVMe SSD、そしてAHCI SSDの二種類が存在しています。
上で紹介したSATA接続内蔵タイプのSSDはAHCI SSDに相当します。

そして、たとえば同じサンディスク、そして同じ容量1TBのNVMe SSDは、というと


お値段が倍ぐらいになりますよね。 その価格差分、性能差があるのです。

NVMe、そしてAHCIはググってね・・というのもあんまりにも乱暴なので(笑)極簡単に言ってしまうと”SSD”という記録媒体をPCに接続するためのインターフェース/通信の規格、だと考えて頂ければ大体あっていると思います。そしてPCと接続するための手段が異なります。
AHCIはSATA接続に最適化され、NVMeはPCI Expressに最適化され・・などとなると???となる方もいらっしゃると思うので、こちらではこれまた細かいことはざっくり省いて、NVMeはより高速なインターフェースを使ってPCと接続することができるので、概ねアクセス速度がNVMeSSD > AHCI SSD となる、と認識して頂ければ良いかと。(一概にそうではないケースもありますが)

AHCIが接続できるSATAの通信速度の理論値は6Gbit/S(750MB/S)、そしてNVMeが接続できるPCI Expressの理論値は32Gbit/S(4GB/S)なので、理論値ベースであればNVMe SSDのほうが5倍以上高速になります。
当然お値段の力関係もそうで、先ほどリンクを張ったようにだいたい容量が同じならNVMeのほうが倍くらい高い(これもメーカーやらなんやらで一概にそうも言えないが)、というのが現状です。

自分がいまメイン機として使っているPCに、AHCI、NVMeが両方入っているので、簡単にベンチマークをとってみました。ベンチマークを取るために使用したソフトウェアはCrystalDiskMarkのVer6.0.2です。
まず、AHCI SSDです。型番は不明(ググってもでてこない)ですが、Intel製の組み込み機器用のモデルのようです。

概ね、上から2行の数字を見れば雰囲気はわかると思います。1行目がシーケンシャルなファイルの読み書き。順々にお行儀良くファイルにアクセスしていったときの性能。単純なデータ置き場として利用し、大量のファイルをコピーする、などの用途に使われた時の性能に近いのではないかと思われます。
2行目はマルチキュー、マルチスレッドでのランダムアクセス。いろいろな処理が同時多発的にいろいろなところにアクセスする・・・例えばアプリケーションなどを用いて写真を編集したり、その裏がいくつものアプリケーションを同時に動かしている・・など、実際のPCの使われ方としての性能に近いのではないかと思われます。
シーケンシャルリードで560MB/S、ライトで508.5MB/S。そしてランダムリードで324.2MB/S、ランダムライトで318MB/S。

続いて、NVMe SSDです。具体的なデバイスとしてはSumsung SSD 970 EVOとなります。
シーケンシャルリードで3510.3MB/S、ライトで2518.4MB/S。ランダムリードで
1496.0MB/S、ライトで1517MB/S。

シーケンシャルアクセス、マルチキュー/マルチスレッドでのランダムアクセスともに、NVMe SSDのほうが5倍前後の能力があり、だいたい理論値ベースでの比較に一致します。

ところで、超長くなってますがこの記事まだ読みますか??(笑)

それほど差がでないケースもあるようです

一方で、上のベンチマーク、特に4行目に注目してもらいたいのですが、それほど差がない項目もあります。それはシングルキュー/シングルスレッドでのランダムアクセスです。

AHCIでリードが35.24MB/S、ライトが83.24MB/S。
NVMeでリードが44.90MB/S、ライトが112.7MB/S。

シーケンシャルアクセス、マルチキュー/マルチスレッドでのランダムアクセスほどに差がありません。
そして、現時点の世の中で稼働していて、我々のような一般ユーザーが利用するようなコンシューマ向けアプリケーションなどは、ゲームを除けばそれほどマルチスレッド対応されていないので、もしかすると体感的にはこのシングルキュー/シングルスレッドのランダムアクセスのベンチマーク結果に近くなる・・・つまりOSやアプリケーションなどがインストールされるシステムドライブにNVMe SSDを用いることは、AHCIとの価格差を考えると、それほど効果や満足感が得られない可能性があることを示唆しています。
自分のPCはBTOで購入して構成カスタマイズ上システムドライブにNVMe以外を選択する余地がなかったのでNVMeになっていますが、個人的にはシステムドライブにSSDを用いる場合はAHCIで十分なのではないか、、と考えています。まあ価格差ほど差がない、というだけでNVMeのほうが速いのは間違いないとは思うのですが。

ここで、ベンチマークではなく、実際の利用でのケースで見てみます。
AHCI SSDに対して240GB弱のデータをコピーしてみますと、終了までの予測時間は約10分。

次に、NVMe SSDに同様の操作を行ってみますと、2分30秒。大体、この予測時間に近い感じの体感でした。

シーケンシャルアクセスでのベンチマーク性能差のとおり、少なくとも単純なコピーなどでは大きな差が出るようです。
つまり、データ置き場として用いるようなドライブ、そしてそこにコピーなどが繰り返されるような用途の場合は、予算が許すならNVMe SSDを選択したほうが良いかなあ、という感じです。
一個、不思議なのはBTOメーカーのカスタマイズなどで、なかなかシステムドライブ以外にNVMe SSDを選ばせていただけないんですよね。デスクトップ機を自作できるスキルのある方は、そのあたりのチョイスは自由にできると思うのですが。

参考までにUSB3.1(Gen1)接続の外付けHDD(RAIDなし)のベンチマークを参考値として見てみます。

SSDの値をみてからこれを見ると、特にランダムアクセスに於いて悲しくなるほど性能差がありますね・・。HDDはヘッドを書き込み位置に動かして磁気情報を書く、という物理的な機構があるため、文字通りランダムにアクセスされるとこのヘッドの動作時間がタイムラグとなって現れるため絶対的に遅くなります。

こんなことから、写真的な観点からSSDの運用について考えてみますと・・・
数TBになるであろう写真メディア全部SSD・・というのは、コスト的にはかなり難しいと思うので(金がいくらあっても足りないw)

  • たとえば、今年一年の写真データとかPhotoshopのキャッシュ領域として、など、比較的大きくかつアクセスが高いデータ領域にはNVMe SSDを用い、
  • バックアップやアクセス頻度が下がる長期保管データとして低価格で大容量をそろえられるHDD,予算が許せば許すだけAHCI SSDをSATAのディスクケースにいれて外付けストレージのようにして使う、

なんていうハイブリッドな運用が有効なんではないか、と思うわけです。
なにしろ、容量が同じだけどNVMeのお値段は倍。
しかも接続できるインターフェースがPCIe、となると、マザーボード上のスロットにM.2フォームファクタを介して差す、みたいな実装になるので、HDDディスクケースなどを使ってリムーバブルストレージのような扱いも難しく、取り扱いやシステムとしての応用面はAHCIより明らかに劣りますから、必要な箇所にピンポイントでドン!と置くのが肝要なのかな・・と。

ちなみにUSBタイプの外付けSSD、そしてTuhundrbolt3接続のHDD(RAID-0)は・・

参考値として、同じSSDの比較対象として、内蔵ではなく外付けタイプ・・USB(USBにもいろいろあるんですが、そのうちUSB3.1 Gen2)接続のSSDのベンチマークを取ってみます。

ランダムアクセスはおよびませんが、シーケンシャルアクセスにおいてはAHCI SSDとほぼ同等の性能が出ているので、データ一時保持用途、あるいは外部持ち出し用としてはかなり有効だと思います。
ただし、USBがボトルネックになる可能性があります。今回ベンチマークを取ったのはUSB3.1のGen2対応のSSD。USBにもいろいろありまして、USB3.1のGen1などではこれより性能が劣るはずですし、逆にThunderbolt3などの超高速I/F対応のものであれば、もっと高速なものもあるかもしれません。たとえばこんなの・・


超お高いですが・・

更に、Thunderbolt3が出てきたついでにThunderbolt3接続のHDD、2台のHDDによるRAID-0のディスクのベンチマークも取ってみます。

これだと、シーケンシャルアクセスに限ってみれば、HDDながら先にベンチマークをとったUSB3.1(Gen1)接続のHDD(RAIDなし)よりも遙かに速く、SSDには及ばないまでもAHCI SSDに近い性能が出ています。(ランダムアクセスはHDDの構造上もう仕方がない・・)
このように、HDDであっても接続するインターフェースを選んだり、適切なRAID構成を選択することでアクセス速度を上げる運用をすることは可能です。

ところでThunderbolt3??とか、USB3.1のGen1、Gen2??とか、最後の方でまたいろいろと出てきちゃっていると思いますが、それは記事を分けて別の機会に。

そんなこことより、ここまで約5200字お読み頂き、誠にありがとうございました(笑)

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